2023年 登山道補修等の活動(8月)

2023年8月29日

伊吹山は依然として登山禁止ですが、3合目の保全活動は継続して実施しています。今年からは、ネットの中の植生調査にも着手し、昨日も専門の先生に教えていただきながら、どんな植物があるか調べました。ユウスゲ保護ネットの中では100種以上、昨年新設した金属柵の中でも50種以上が確認できました。

登山道の修復ですが、先日伊吹山を守る自然再生協議会が開かれ、滋賀県から11月までの復旧を目指すという方針が発表されました。僕たちNPO法人霊峰伊吹山の会も、登山道の補修に協力していくことになります。

笹の中にもいろんな植物が隠れています。

先生に教えてもらいながら、植物の名前や状態をメモしていきます。

クサボタン(草牡丹)。葉がボタンに似ているそうです。


ツルボ(蔓穂)。金属柵の中で群生していました。

山腹の様子も観察します。

これは2011年7月の写真、緑で覆われています。12年でここまで荒廃しました。



2023年8月17日

これまでの続きで、3合目の金属柵内のススキを刈りました。今日で作業はほぼ終了、どんな秋の花が咲いてくれるか楽しみです。先日の台風で伊吹山にもかなりの雨が降り、3合目から見ると、登山道の崩壊がさらにひどくなったように見えます。

ときおり涼しい風が吹き抜けます

手刈りは中腰のため腰にきます

6合目と7合目の間、流水跡と登山道がクロスしているところ


3合目の花。ツリガネニンジン(釣鐘人参)、根は沙参(しゃじん)という生薬になります。

ハクサンフウロ(白山風露)がたくさん咲いています

ユウスゲ(夕菅)はほぼ終わりです。ユウスゲまつりができなくて残念でした。



2023年8月10日

伊吹山は依然として登山禁止ですが、日常管理は必要で、今日は昨年3合目に新設した金属柵の中のススキを刈りました。柵で囲んで鹿の食害は防げても、何もしないとススキ以外の植物が生育できません。柵の中には、少しずつアザミやコバギボウシなどが出てきています。

今回の被害を受けて、米原市には今日付けで「伊吹山災害復旧対策担当」の部署が発足し、公用車が何台も上ってきました。関係職員の方が現地調査に来られたようです。登山道の復旧については、僕たち登山道整備を行ってきた団体や、一般登山者の意見も聞いて、進めていただきたいと思います。

せっかく出てきた植物を刈ってしまわないよう、手鎌で慎重に刈ります。

草刈り機も少し使いました。

ガスっていてよく見えませんが、避難小屋の上部は悲惨なことになっています。


ユウスゲネットの中の花。キセワタ(着せ綿)、環境省レッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類の貴重な花です。

オトギリソウ(弟切草)。悲しい伝説のある花。止血の民間薬として使われてきました。

イブキボウフウ(伊吹防風)。根は風邪薬にされ、風邪を防ぐため防風という名にないました。



2023年8月4日

7月12日の大雨被害から3週間余りが過ぎました。市と県では現地調査を行い、今後の対応について協議中で、登山禁止の状態が続いています。ただ、こうしている間にも鹿の被害は発生しており、今日は3合目の防獣ネットの点検と、昨年新設した金属柵内に通路を新設する作業を行いました。柵内には、たくさんのコバギボウシ、大きなオオナンバンギセルの株、シモツケソウなどが見られ、たった1年で予想以上に植生回復が進んでいます。

米原市からの情報ですが、6日(日)から登山禁止が解除になるまでの期間、4合目から6合目にかけて鹿の銃器駆除が行われるそうです。主に日曜日にされるそうですが、大変危険ですので、絶対に立ち入らないようにお願いします。

金属柵内に観察、作業用の通路を新設しました。

伸びてきたススキも刈り取ります。

去年まで何の花も咲かなかったところに、コバギボウシの花がたくさん咲いています。


大きなオオナンバンギセルの株。

花びらの先が3つに分かれたイブキフウロ。

シモツケソウ。3合目でも増えてくれると嬉しいです。