2023年 登山道補修等の活動(4月)

2023年4月28日

今日は山頂で保全作業。21日の続きで米原市のお手伝いです。この前設置した貴重植物保護ネットのロープを丈夫な金属ワイヤーに取り替え、アンカーを打ち込んで固定しました。これを突破する鹿はいないと思います。多分。

山頂ではニリンソウがたくさん咲いています。お花畑になっているところもありました。何とキバナノアマナがまだ咲いていました。

  • 作業内容 貴重植物保護ネットの設置
  • 作業場所 伊吹山山頂
  • メンバー 2名
  • 特記事項 連休中の天気はいまいちの様子。登山される方は、雨具、防寒具を忘れずに。

今日の現場も、ガラガラの急斜面。

転ばないように注意して下降します。

ネットをアンカーで固定。これをしないと、鹿が角で持ち上げて侵入します。


 ニリンソウ(二輪草)、今の主役。

ミツバツチグリ(三葉土栗)。山頂にはよく似たツルキジムシロという花も咲いてます。

キバナノアマナ(黄花の甘菜)が、まだ咲いてました。



2023年4月27日

3合目お花畑の保全活動。防獣ネットの点検と草引き、登山道誘導ロープの張り替えを行いました。ニリンソウ、ヤマエンゴサクなどの春の花は終盤。今はフデリンドウがたくさん咲いています。3合目ではあまり見かけないヤマシャクヤクも、花を付けていました。

  • 作業内容 防獣ネットの点検、登山道誘導ロープ張替え等
  • 作業場所 伊吹山3合目
  • メンバー 6人(ユウスゲと貴重植物を守り育てる会)
  • 特記事項 伊吹山でヤマシャクヤクは珍しく、盗掘を防ぐため、見つけた方は詳細位置非公開でお願いします。

3合目から4合目の誘導ロープを張替えました。

完了。決められた登山道を歩いてくださいね。

今日もいい天気。連休はどうかな。


3合目にもヤマシャクヤクがありました。

鹿は食べないので、増えるかも。

花茎に複数の花を付けるのがフデリンドウ、一つの花を付けるのがハルリンドウです。



2023年4月21日

今日は、米原市の自然保護事業のサポートをさせていただきました。頂上の東南斜面、貴重植物の生息エリアを鹿の食害から防ぐためネットを設置しました。これまでのネットは、冬期の積雪や防風で破壊され、新たに強度のあるネットに張替えました。現場はガラガラの急斜面で足場が悪く、全員ヘルメット着用です。

今年の夏は、きれいな花を咲かせてくれるものと、期待しています。

  • 作業内容 貴重植物の保護ネットの設置
  • 作業場所 伊吹山山頂
  • メンバー 5名
  • 特記事項 行政との協働作業。もっといろんな部署と連携して、伊吹山の再生に取り組みたいものです。

現場の斜面を見下ろしています。

資材を担いで斜面を下降。転ばないよう慎重に下ります。このあと、破壊された部材を担ぎ上げました。

ネットの支柱を打ち込みます。丈夫な単管を使用しました。


50mのネット3本を張りました。急斜面を何度も上り下り、けっこうきつい作業です。

イブキカタザオ(伊吹旗竿)が咲いていました。ハクサンハタザオに似ていますが、葉や茎に細かい毛が密生しています。

アカヒダボタン(赤飛騨牡丹)。ネコノメソウの一種で、伊吹山周辺の沢などに自生します。



2023年4月19日

米原市主催の伊吹山頂上保全作業に、「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」で参加してきました。伊吹山の保全にかかわる滋賀県、米原市、山小屋関係者、伊吹山もりびとの会、それに僕たち、総勢22名です。濃いガスの中、冬の間下ろしていた防獣ネットの引き上げ、かつてニッコウキスゲが群生していたところへの防獣柵設置、貴重植物の調査等を分担して行いました。化繊のネットは、冬の間に鹿に食べられ、補修不可能なほどぼろぼろになっており、雪や風による損傷もありますが、金属柵に変更するしか対策はないように思います。

  • 作業内容 防獣ネットの引き上げ、ニッコウキスゲ群生地への柵設置、貴重植物の調査
  • 作業場所 伊吹山9合目~山頂
  • メンバー 6名(ユウスゲと貴重植物を守り育てる会)
  • 特記事項 関係団体が連携しての取り組みを、今後も定期的に実施していくべきと思います。

ドライブウェイ駐車場で打合せ。濃いガスのため、一般のお客さんはほとんどおられません。

ネットを引き上げ、鹿に開けられた穴は、別のネットを当てて補修します。

地味に疲れる作業です。


こうなると補修不可能、新しいネットに張り替えるしかありません。

かつてのニッコウキスゲ群生地をネットで囲みます。

完成。復活してくれるかな。



2023年4月14日

昨日に続き伊吹山の保全作業でした。今日は頂上です。10頭以上の鹿の視線を感じながら、冬の間下ろしておいた、東登山道の防獣ネットを引き上げました。やっぱり鹿にかじられ、大きな穴が開いており、ネットを当てて補修しました。ゲートも設置しました。明日からドライブウェイが開通しますが、開けたら必ず閉めてくださいね。頂上は、まだほとんど花は咲いていませんでした。
  • 作業内容 ドライブウェイ駐車場からの登山道にゲート設置、東登山道のネット引き上げ・補修
  • 作業場所 伊吹山9合目~山頂
  • メンバー 4名
  • 特記事項 早くも鹿が山頂部に上がってきています。今日は10頭以上を見かけました。

登山道入り口にゲートを設置しました。

下ろしていたネットを引き上げます。これが意外と重労働。

鹿にネットをかじられ、大きな穴がたくさん開いています。別のネットを当てて補修します。


アオイスミレ(葵菫)。毎年最初に咲くスミレです。山頂では今咲いています。

三合目ではニリンソウ(二輪草)の花盛りですが、頂上でも咲き始めています。

きれいなネコノメソウ。ヤマネコノメソウ(山猫の目草)だと思います。



2023年4月13日

16日(日)は、今年最初の3合目観察会です。今日は午前中、その準備と下見をしてきました。お花の看板も設置しました。
今年は花の咲くのが早くて、10日ほど早めての開催ですが、それでもイブキスミレはほぼ終わってました。エイザンスミレは、まだたくさん咲いています。保護ネットの中で、カタクリもたくさん咲いています。晴れてほしいなあ。エンゴサクも、ヤマ、ササバ、オトメ、ミチノク、といろいろ咲いてますので、探してくださいね。
  • 作業内容 防獣ネットの点検・補修、散策路へのロープ設置、花案内看板設置等
  • 作業場所 伊吹山3合目
  • メンバー 7名(ユウスゲと貴重植物を守り育てる会)
  • 特記事項 去年新たにネットを設置した中に、数は少ないですがユウスゲの芽が出てきました。昔は群生していたところであり、復活の第一歩です。

黄砂はそれほどひどくありませんでした。いつもの伊吹ブルーです。

ユウスゲ群生地のゲートを修理しました。

お花の看板も設置しました。この中でイブキコゴメグサは、もう3合目にはありません。


残念ながらイブキスミレ(伊吹菫)はほぼ終わっています。エイザンスミレ(叡山菫)は、まだたくさん咲いています。

ニリンソウ(二輪草)は、あちこちで群生しています。

フデリンドウ(筆竜胆)も咲きだしました。1つの茎から複数咲くのがフデリンドウ、1つだけ咲くのはハルリンドウです。



2023年4月1日

伊吹山の登山道は二つあり、ひとつは上野からの表登山道。もうひとつは、上平寺から、京極氏の城跡を経由して登る広葉樹の森の登山道です。雰囲気がよく、足にも優しい道で、最近、こちらから登る方も多いですね。今日は、この登山道の点検と、危険箇所の補修をしてきました。登山口から弥高寺跡分岐までは、まったく問題ありません。分岐から弥高寺跡までは、幅の狭いトラバースがあるので、谷側に落ちないよう気をつけてください。弥高寺跡から先は、一部ルートがわかりにくいところがあり、赤布を付けました。その先、谷に降りる急斜面の道が滑りやすくなってますので注意してください。枯れた沢を登るところには、新しいロープを設置しました。5合目に合流する直前に、流水でできた大きな溝を渡るところがありますので、ここも注意してください。上級コースとなっていますが、注意して登れば問題ありません。とてもいいルートなので、表登山道から登った方は、次は上平寺から登ってみてくださいね。

  • 作業内容 上平寺登山道の点検および補修
  • 作業場所 上平寺登山口~伊吹山5合目
  • メンバー 9名
  • 特記事項 弥高寺跡周辺はスミレの宝庫。たくさんの種類のスミレが咲いています。また、3合目の高屋では、イブキスミレが咲き始めました。見に来てくださいね。

ここは弥高寺跡、中世には大きなお寺がありました。お昼を食べて休憩します。

登山道をふさいでいた枯れ木を伐採しました。

間違って、上平寺尾根をまっすぐ登ってしまう方がときどきいます。指導標と赤布を設置しました。


谷に下りる急斜面。幅が狭いので、滑落しないよう注意してください。

皆さんが迷われる枯れ沢の登り。新しいロープを設置しました。

何と、もうヒゴスミレ(肥後菫)が咲いていました。例年に比べ2週間も早いです。