伊吹山の植物の固有種

伊吹山は1億5千年前に隆起したと言われる古い山(これに比べて、例えば3千m級の山々が連なる北アルプスは500万年前の飛騨半島が250万年前に始まる隆起運動と巨大噴火によって誕生したと言われています)です。また3億年前は海底火山だったと言われ、もともと玄武岩の溶岩でできた山体の上にサンゴ礁が発達して石灰岩になり、伊吹山の多くは石灰岩に覆われています。この石灰岩の特殊性から、水を透しやすく乾燥しやすいために森林が発達しにくくなり、また伊吹山の地理的な特性から中腹以上のやや高山的な気象によって新種が形成されたと考えられています。

ただし、これら固有種も現在は生存の危機にあります。ニホンジカの食害によってアザミ類やイブキレイジンソウ、ルリトラノオは個体数を減らし、イブキコゴメグサもわずかにドライブウェイの石垣などシカが寄り付けない場所に咲く程度です。また、イブキタンポポも主な生息地である頂上では外来種のセイヨウタンポポに駆逐されつつあります。

  イブキヒメヤマアザミ(伊吹姫山薊)    イブキアザミ(伊吹薊)         コイブキアザミ(小伊吹薊)

   ミヤマコアザミ(深山子薊)         ルリトラノオ(瑠璃虎の尾)      イブキレイジンソウ(伊吹伶人草)

  イブキコゴメグサ(伊吹小米草)         コバノミミナグサ(小葉の耳菜草)   イブキタンポポ(伊吹蒲公英)

                                               HP野の花賛歌より