伊吹山三合目獣害防止ネットの中で咲き誇るニリンソウ(二輪草)
伊吹山は古くから伊吹山の自然的特性や人とのかかわりの中で様々な植物が花を咲かせ、田中澄江さんの「花の百名山」の一つにも選ばれています。
残念ながら現状は、ニホンジカの食害の影響でかつてのように全山で四季折々に草花が楽しめる状況にはありませんが、獣害防止ネットで保護された三合目や山頂草原で、様々なお花を観察できます。
様々な要因で豊かな植生が維持されてきた伊吹山は、記録に残るだけでも江戸時代から本草家や採薬師が伊吹山で大掛かりな調査を行ったり、明治時代にも日本の植物分類学の創始者牧野富太郎が7回も来山するなど頻繁に調査が行われました。このため、伊吹山で初めて採集され、幕府の学者によって名付けられたり、学会等に報告された植物も多く
イブキと名の付く植物が約30種もあると言われています(ここをクリック)。
19世紀中頃の尾張藩士の採集記録には、地元名の下に「イブキジャコウソウ」と学問的名称が併記されており、この頃には和名が定めっていたことがわかります。18世紀から19世紀にかけては日本で本草学が目覚ましく進歩した時期で、本草学者の飯沼慾斎がリンネの植物分類学に基づき初めて著した植物図鑑「草木図説」には伊吹山の植物が多数登載されています。その他の江戸時代の近代植物学の礎になった著作(貝原益軒著「大和本草」、小野蘭山著「重訂本草綱目啓蒙」)にも伊吹山産の植物が多数紹介されています。
ということで、イブキと名がついても伊吹山以外に生息している植物が多いのも事実です。イブキの名の付く植物で固有種なのは、コイブキアザミ、イブキアザミ、イブキヒメヤマアザミ、イブキコゴメグサ、イブキレイジンソウ、イブキタンポポと言われています。
エイザンスミレ(叡山菫) チゴユリ(稚児百合) ササユリ(笹百合)
イブキジャコウソウ(伊吹麝香草) イブキトラノオ(伊吹虎の尾) グンナイフウロ(郡内風露)
ハクサンフウロ(白山風露) キンバイソウ(金梅草) ルリトラノオ(瑠璃虎の尾)
サラシナショウマ(晒科升麻) オオナンバンギセル(大南蛮煙管) センブリ(千振)
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