2022年9月25日
「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」主催の植物観察会を行いました。今年最後の観察会です。常連さんに加え、大阪方面からのグループの方、また専門の先生にもご参加いただきました。秋の花への入れ替え時期で、咲いてる花は少なく、センブリやリンドウもまだつぼみでしたが、貴重な植物を見ていただくことができ、喜んでいただけたようです。観察会の前には、鹿の害など、伊吹山がかかえる問題について説明させていただきました。
秋晴れの爽やかな天気。何を探しているのかな。
花は少なくとも、今回はいつもより中身の濃い観察会になりました。
センブリはまだつぼみ。リンドウは2か所、イブキトリカブトは1か所咲いていました。これからどんどん咲きだします。
ステゴビル(捨小蒜)。とても貴重な植物です。いつまでも絶えませんように。
イブキトリカブト(伊吹鳥兜)が1本だけ咲いていました。この花が終わると、来年の春に備えてススキを刈り取ります。
ツルニンジン(蔓人参)、ジイソブ(爺蕎)ともいいます。今年はたくさんの花が付いていました。
2022年9月16日
県内の学校の伊吹山登山をサポートさせていただきました。全体を4つの斑に分け、1合目からと3合目からに分かれてスタート。それぞれにメンバーが1人ずつ加わりました。この登山は、もう30年以上続いている学校の伝統行事とのことで、事前の準備から、当日の装備、服装、歩き方、休憩のとり方等ほぼ完ぺきで、生徒さんたちも互いに励まし合って、全員登頂することができました。他の学校の手本となるような学校登山でした。
2合目を越えると、びわ湖がきれいに見えてきました。
5合目到着。3合目スタートのグループは、もう7合目まで登っています。
3合目では、防獣ネットの設置作業が行われています。
山頂に到着しました。
全員で記念撮影
花の写真を撮る時間はあまりありませんでした。これはイブキトリカブト(伊吹鳥兜)。
2022年8月21日その2
関西自然保護機構主催「伊吹山の保全と地域連携-過密度シカ個体群が生息する伊吹山草原の現状と課題-」で報告しました。
伊吹山山頂でのフィールド観察会では、シカの食害から防護ネットによって植生を守る取組を京都大学の高柳先生が説明され、当会メンバーも同行して植生の移り変わりやシカの不嗜好植物が群生する深刻な現状を説明しました。
また、午後のシンポジウムでは当会メンバーが「伊吹山の草原植生と保全の経緯」「伊吹山の保全と地域の取組」と題して報告し、京都大学の高柳先生の「伊吹山の自然再生のためのニホンジカ対策の課題」、同じく高原さんが「伊吹山頂草原植物群落における土壌露出被害」について報告されました。
伊吹山は山頂部分の植生回復も大きな課題ですが、5合目から9合目にかけてニホンジカの食害によって裸地化し保水力をなくした斜面に、頻発する大雨が広範囲にわたって土砂流出を引き起こしている甚大な被害の状況をドローン映像も活用して説明し、約30名の参加者の皆さんにはその状況をご理解いただけたものと思います。
シカが嫌っているサラシナショウマ。間もなく盛りになり、中央登山道が見事です。
不嗜好植物のオオヒナノウスツボ。山頂や山腹のあちこちに群生してます。
伊吹山の特産種コイブキアザミ。これも見られるのはほぼ金属ネットの中だけです。
山腹の2007年と現在の写真を比較。一面植生豊かな緑に覆われてた斜面は、広範囲で土砂が流出し裸地化し植生が失われている。
2010年は様々な植物でモリモリ、2017年は裸地化が進む斜面には繁殖力旺盛なイブキガラシが一面に広がったが、2022年は大規模な土砂流出でそれすらも流され、ほぼ植生は失われた。
保水力を失った斜面の土砂流出は大雨の度に加速し、斜面には水の流れた道が幾筋も大きくえぐれている。
伊吹山は人との関りも豊かな植生が存在した要因の一つ。刈り取った草を田畑の肥料や牛馬の飼料にした。一家総出で草を山から運んだ。
江戸時代のシシ垣が伊吹山麓に残る。今も昔も獣たちとの共存は難しい課題だった。
近代植物学の父とも言われる牧野富太郎博士は生涯7度も伊吹山を訪ね調査した。江戸時代の本草学者の書物に伊吹山の植物の記載が多く、関心が高かったとも。
2022年8月21日
「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」で、3合目植物観察会を行いました。
スタート時、少し雨が降っていましたが、すぐに止んで、晩夏の花々を楽しんでいただきました。この時期の見ものは絶滅危惧種のキセワタ(着せ綿)ですが、今年もたくさん咲きました。だんだん増えてきているように思います。ところが一方で、これまで見られなかった要注意外来生物のブタクサ(豚草)が生えてきていて、きちんとした管理が欠かせません。
次回の観察会は9月25日(日)、センブリやリンドウの花が見られます。お申し込みは、高橋(090-3286-8191)または堀江(0749-58-1323)までお願いします。また、この日は午後2時からジョイいぶき(伊吹薬草の里文化センター)で、来年のNHK朝ドラのモデルとなる牧野富太郎博士に関する講演会も開催されますので、連続参加も可能です。講演会のお申し込みは文化センター(0749-58-0105)までどうぞ。
カッパを着てのスタートとなりましたが、すぐに止んでよかったです。
観察終了後、参加者の方も一緒にブタクサの駆除を行いました。ご協力ありがとうございました。
キセワタです。滋賀県では伊吹山だけに生育します。
イブキボウフウ(伊吹防風)。根が漢方の風邪薬「和防風」の材料になります。県内では、伊吹山と綿向山に生育します。
タムラソウ(田村草)。花はアザミにそっくりですが、葉や茎にトゲトゲはありません。名前の語源は不明です。
雨に濡れたオトギリソウ(弟切草)。悲しい伝説から名前が付けられています。漢方薬の材料になります。
2022年7月28日
湖北の地域情報誌「みーな」の最新号vol.149の特集は伊吹山。
「みーな」とは滋賀県湖北地方の方言で「~してごらん」という意味、「いっぺん伊吹山に登ってみーな」というように使います。その「みーな」に我が霊峰伊吹山の会の高橋会長が登場、会の活動について熱く語っています。湖北・湖東エリアの本屋さんで販売されていますので、ぜひお求めになってください。この1冊で、伊吹山のことが深く理解できます。
ちなみに巻頭エッセイを寄せてくれたのは尾木直樹さん(尾木ママ)。尾木さんは米原市(旧伊吹町)の出身なんです。
平成元年7月から発刊を重ねて149号。バックナンバーを読めば長浜市、米原市のすべてがわかる素晴らしい本です。
高橋会長のインタビュー。伊吹山の課題や会の活動について熱く語る。
美しい三合目のユウスゲ群落と、はげ山になりつつある5合目から頂上まで。これが今の現実です。
2022年7月24日
米原市と、ユウスゲと貴重植物を守り育てる会との主催で、伊吹山ユウスゲまつりを開催しました。この前の大雨で事前の観察会が中止になってしまい心配しましたが、久々の快晴、最高の観察日和となりました。三合目の会場が雨の影響で使用できず、講演会等は伊吹薬草の里文化センター(ジョイいぶき)の芝生広場で行いましたが、伊吹山を望む絶好のロケーションで、参加者の皆さんにも好評でした。
アルプホルンやオカリナの素晴らしい演奏を聴き、山の編集長、萩原浩司さんの山の花についてのお話を聞いたあとは、バス3台を連ねて三合目に移動。すでにユウスゲは満開で、雄大な伊吹山をバックにレモンイエローのお花畑を楽しんでいただけたと思います。大雨や新型コロナの第7波など、いろいろと大変な状況の中でしたが、米原市さんの強力なサポートを受け、素晴らしいイベントになったと思います。参加していただいた皆さん、ゲストの皆さん、ありがとうございました。
なお、8月の観察会は21日(日)に行います。参加のお申し込みは、高橋(090-3286-8191)または堀江(0749-58-1323)までお願いします。
ユウスゲまつり開催前、会の健脚メンバーは萩原編集長と伊吹山登山。久々の快晴でたくさんの登山者だったようです。3人ともいい笑顔。
みのかもアルプホルンクラブの皆さん。今年も来ていただきました。自分たちで作ったアルプホルンで、素晴らしい演奏でした。
ユウスゲまつりには毎回参加、山と渓谷社の萩原浩司さん。NHKBSの「実践!にっぽん百名山」でおなじみですね。山のスペシャリストから見た花の名山伊吹山について、いろんなお話をしていただきました。
長浜市のオカリナサークル、ルナ・フィオーレの皆さん。ウッディドームステージで、みんながよく知ってる曲を演奏してくださいました。楽しい演奏、ありがとうございました。
三合目に移動、すでにユウスゲは満開です。
3班に分かれて観察。会のメンバーがガイドさせていただきました。ユウスゲ以外にもいろんな花が咲いていて、お楽しみいただけたと思います。
市内外、県外からも、たくさんの方に来ていただきました。定員がすぐ埋まってしまいましたが、ユウスゲは8月初めまで楽しめますので、ぜひ見に来てくださいね。
今日はびわ湖もきれいに見えていました。
ユウスゲ以外の花を代表してコオニユリ(小鬼百合)。主な花には解説プレートを立ててありますので、参考にしてください。
2022年7月18日
ユウスゲと貴重植物を守り育てる会で、伊吹薬草の里文化センター「ジョイいぶき」主催のユウスゲ観察会のガイドをさせていただきました。三合目のネットの中では、今年もたくさんのユウスゲが咲きました。夕方5時30分から7時まで、ユウスゲ以外にもハクサンフウロやカワラナデシコなど、夏の花を見学してもらいました。ユウスゲは三分咲きくらいなので、まだまだお楽しみいただけます。
市内外から35名の方にお越しいただきました。
3班に分かれて、ネットの中を観察していただきました。
曇りときどき小雨の天気。とても涼しく快適です。
ちょっと薄暗くなってからのユウスゲは幻想的です。
伊吹山の特産種、ルリトラノオ(瑠璃虎の尾)も咲きだしました。
シモツケソウ(下野草)もこれから。ネットの中で、少しづつ増えてきています。
2022年7月17日
三合目のネットの中に、ユウスゲがたくさん咲いています。来週は観察会やユウスゲまつりがあり、見ていただきやすいように、観察路の草刈りをしました。作業開始直後、何とネットの中に鹿が1頭入り込んでいます。ネットの低いところを飛び越えて入ったと思われます。ユウスゲを食べられてはたいへん、全速力で追いかけ、ゲートから追い出しました。早く気が付いて良かったです。
なお、観察会、ユウスゲまつりとも大人気で、すでに定員に達しました。
ユウスゲまつりの会場となる広場は、ハンマーナイフという自走式草刈機で刈ります。
観察路は草刈り機で。観察路にもスズサイコ、センブリ、リンドウ等が生えており、注意して刈ります。
キヨスミギボウシ(清澄擬宝珠)が咲いています。オオバギボウシやコバギボウシとは、葉の形で見分けます。
オオダイコンソウ(大大根草)。普通のダイコンソウとは、全体の大きさや葉の形が違います。
スズサイコ(鈴柴胡)の花。夜に開きますが、朝方まで雨だったので、まだ開いていました。
さて、これは何でしょう。
答え、スズサイコの果実。中に種がつまっています。
2022年6月26日
「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」主催で植物観察会を行い、県内外から11名の方に参加いただきました。
3合目のネットの中では、気の早いユウスゲが咲き始め、初夏の花もいろいろ咲いています。環境省の準絶滅危惧種のスズサイコがあちこちに咲いていて、増えているように思います。ササユリは、3日前まできれいに咲いていましたが、その後の強い雨で傷んでしまったのが残念でした。でも株は確実に増えており、来年が楽しみです。
来月の観察会は、7月24日(日)にユウスゲまつりとして行います。申し込み方法等は、米原市のホームページでお知らせしますが、毎年すぐに定員が埋まってしまいますので、お早めにお申し込みください。
何も咲いてないように見えますが、たくさんの花が咲いてましたよ。
早くも咲きだしたユウスゲ(夕菅)を観察
お昼には閉じるはずですが、まだ咲いたままの花もありました。
ハクサンフウロ(白山風露)も咲いています。9月まで見ることができます。
花びらの先が三裂するイブキフウロ(伊吹風露)。伊吹山が分布の南西限です。
スズサイコ(鈴柴胡)。夜に開花します。環境省の準絶滅危惧種です。
2022年6月10日
市内の一つの中学校と二つの小学校の伊吹山学校登山を、会のメンバーでサポートしました。
今回は、伊吹山ドライブウェイを使い、駐車場から山頂までの登山です。駐車場や山頂では、伊吹山の自然や歴史についての話をさせていただきました。生徒たちはみんな熱心に聞いてくれましたが、登りや下山の途中にもう少し花の観察等もしてもらえたら、さらに良かったかなと思います。
霊峰伊吹山の会の面々。それぞれの学校を出発し、山頂で合流。校長先生がお一人入っておられます。
中学校は、駐車場で先生注意を聞いています。
こちらは小学校。会員が伊吹山のお話をしています。
山頂めざし、どんどん登っていきます。もう少しお花も見てほしかったなあ。
こちらの小学校は親子登山でした。
地元の小中学生で山頂は大賑わいでした。
2022年6月2日
市内の中学校の学校登山を、会のメンバーでサポートしました。
3合目まで登り植物観察等をするグループと、山頂まで登るグループに分かれて登山。何とか山頂まで登れましたが、早いグループと遅いグループで1時間以上の開きができてしまい、登山道の安全な歩き方、休憩のとり方、ザックの背負い方など、もう少し事前学習が必要かなと思います。
三之宮神社で先生から注意事項等の説明。サポートメンバーの紹介もしていただきました。
クラスごとに分かれて登山口を出発
3合目で休憩、4合目に向かう。今日はほぼ貸し切り。
やっと6合目手前の避難小屋に到着。早いグループははるか上に。
特別ゲストは、何と日本人唯一8000m峰全14座完登の、プロ登山家竹内洋岳さん。写真に入っていただきました。
先生、生徒さんたちはドライブウェイから下山。私たちは歩いて下山しました。
2022年5月22日
ユウスゲと貴重植物を守り育てる会で、三合目の植物観察会を開催しました。先月とは打って変わって天気に恵まれ、ゆっくりと春の花を見ていただきました。去年はいっぱい咲いていたアヤメはまだつぼみでしたが、エビネの群生や伊吹山の特産種イブキノエンドウも見られました。
次回の観察会は6月26日(日)、ササユリやイブキトラノオ、気の早いユウスゲが見られるかも。参加のお申し込みは、高橋(090-3286-8191)または堀江(0749-58-1323)までお願いします。
今日はとてもいい天気。一面の緑はユウスゲで、7月初め頃から花が咲きだします。
ネットの中でこれから咲く花を観察。
タカヤでは、イブキスミレの閉鎖花も観察できました。
小さくて真っ白なシラユキスミレ(白雪菫)。ニョイスミレの白花品種です。
エゾノタチツボスミレ(蝦夷の立坪菫)。北海道と本州の高地、伊吹山には隔離的に生育します。
エビネ(海老根)の新たな群生地を見つけました。
2022年4月24日
三合目で植物観察会を開催しました。雨と風が強く、できるかなと心配していましたが、花が咲いているのは林の中で、風もなく、エイザンスミレやイブキスミレは、雨に濡れてとてもきれいです。他にもカタクリ、ニリンソウ、スハマソウ、エンレイソウ、ウスバサイシン、ササバエンゴサクなどを観察していただきました。
次回の観察会は5月22日(日)です。アヤメ、エビネ、エゾノタチツボスミレなどが見られると思います。参加のお申込みは、高橋(090-3286-8191)または、堀江(0749-58-1323)までお願いします。
ネットの中のニリンソウの群生を観察。エンゴサクもいっぱい咲いています。
エイザンスミレやイブキスミレを観察。今年はたくさん咲きました。
ネットの中のカタクリ群生を観察。たくさん咲いていますが、雨のため花は開いていません。
エイザンスミレ(叡山菫)。雨に濡れた姿もきれいですね。
イブキスミレ(伊吹菫)。こちらもみずみずしさが際立ちます。
カタクリ(片栗)は、残念ながらしぼんだままです。
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